この間のNHKクローズアップ現代で「タイパ」の特集を見て、思ったことを書きます。
念の為に書いておくと、「タイムパフォーマンス」の略です。
「タイパ」もNHKに出てくるようになってすっかり市民権を得たような気がします。
さて「タイパ」とはどんな文脈で使われているでしょうか。
多くの場合、「特に思い入れもないけど、なんとなく良さそうだから」「周りと話を合わせるために、見たり読んだりしておかなくては」などという理由で、2倍速で視聴したり、要約サイトをザッピングしまくったりするといった意味合いでしょう。
このような意味で使われる「タイパ」だと、あまり好きになれませんし、なにより自分の中になにも残らなそうな感覚を覚えます。
しかし本当の意味での「タイパ」とは、自分に必要のないものを捨てて、必要なものあるいは好きなものだけ残す、”判断基準”を磨くことなのではないでしょうか。
「情報が増えまくっているけど、2倍速で見れば全部カバーできる」というのは、あまり筋の良い考え方ではないように思っています。
これからも、あらゆる分野でコンテンツが増えていくでしょう。サブスクリプションで、かなりニッチな分野の趣味の番組がさらに増えたり、AIが作ったコンテンツなども流通に乗ってくる可能性は十分にあります(事実、Amazonの書籍の新刊にはAIグラビアなんかがめっちゃ増えています)。
そうなっても、すべてをカバーするという方針から抜けれない限り、自分の時間を保つことができなくなるかと思います。だから今のうちから、自分の基準を設ける練習をしておく。
そして、「捨てる」ことで、自分だけのタイパを考えていく必要に迫られると考えています。