「習慣の力」の力という本が、めちゃくちゃおもしろかったので感想を書きます。
■たったひとつの習慣ですべて良くなる(可能性がある)
アメリカ人女性で34歳のリサ・アレンの夢のある話から本書はスタートする。
16歳で喫煙と飲酒を始め、肥満で借金をずっと抱え、仕事も1年続いたことがない。
しかし、彼女はタバコをやめることで、そのほかのライフスタイルにも影響がおよび、お金の使い方や仕事の計画を立てること、食事の見直しなどすべてが好転していった。
◎キーストーンハビット
リサの場合、「タバコをやめること」が、他のすべてを書きかえる要となる習慣だった。これを「キーストーンハビット」と研究者から呼ばれている。
本書によると、人間の行動や選択の4割は習慣によって、実行されているとのこと。
最近では、SNSなどを開いてしまう習慣などは、「キーストーンハビット」になりうるかもしれない。
■習慣のメカニズム
◎基本原則
習慣とは、「きっかけ→ルーティン→報酬」+「期待」のサイクルを1つの連なりとした行動のことである。例えば、歯磨きという習慣化した行動を分解してみる。
鏡台の前に立って歯ブラシが目につく→歯を磨く→口の中がスッキリするまでが一連の流れだと考えると良いだろう。これを毎日繰り返していると、口の中のスッキリと寝る前にきれいにしたという安心感などの「期待」が、歯磨きの前に形成されるようになる。
この「期待」があることによって、良くも悪くも人間は、同じことを繰り返してしまうらしい。例えば、タバコを吸うと、ストレスを解消できるという期待が形成されているからやめることが難しい。
■習慣化の鉄則とカスタマイズ
◎習慣を変える前提
・習慣を変えるのは、めちゃくちゃ大変
メカニズムはわかったとしても、実行に移すのは誰だって大変であることを受け入れておくことが必要。1度でうまくいくと思っていない方が良い。何度もやり方を変えて、ようやく自分にフィットする方法が見つかるくらいの構えの方がいいと思う。
・習慣はめちゃくちゃ繊細で、すぐ崩れてしまう
きっかけ、ルーティン、報酬は特定の何かと結びついている場合が多い。
普段家ではできることが、旅先のホテルではできないことも多分にあるので、取り扱いには注意し、自分用にアレンジする必要がある。たとえば、家では腕立て30回が習慣になっている場合、旅先で帰りが遅くなったら、腕立て1回でもOKとしておくなど、柔軟にしておく。
◎カスタマイズ
「きっかけ→ルーティン→報酬」+「期待」がメカニズムであることがわかったので、あとは4つの要素を分析して、自分に合った方法をカスタマイズしていくことが必要である。
1)変えたいルーティンをひとつピックアップしてみる
その習慣を構成している、きっかけ、ルーティン、報酬、期待を分析してみましょう。
例えば、私の場合だと風呂の後にYoutubeを見てしまうという習慣を変えたかったときに、やったことは以下。
「風呂から上がったら」(きっかけ)→Youtubeを見て、止まらなくなってしまう(ルーティン)→好きなYoutuberがおもしろかった(報酬)→明日もYoutubeを見る(期待)となっていたと分析した。
2)報酬を特定する
報酬を特定することは、若干複雑であるので科学者になったかのように実験的な思考が必要になります。たとえば1日目は、Youtubeを見るをテレビに変更してみる。2日目はラジオにしてみる。3日目はノートに日記をつけてみるなど複数の実験パターンを用意してみましょう。
それを実際にやったら、自分が何に報酬を感じているか探っていきます。
ラジオだと退屈すぎると感じる?テレビはどうか?日記をつけるでは、達成感はなかったか?複数パターンを試して、自分に合う報酬を特定することで、「なんとなく楽しいもの」ではなく「達成感」が欲しかったのだと解像度が高くなっていきます。
・きっかけに関しては、複雑な要因が絡みまくると思うので、あまり考えないでいいと思います。上記の1、2のサイクルを回すことによって、習慣が自分にとってどんな働きをしているかの特定が必要になります。