何度でも読みたい「反応しない練習」を再読したので、書評を書きます。
■感想:
仕事が自分の思うように進まなくて、しんどいなと思ったときに読み直す本。
少し練習が必要だけど、執着、妄想、思い込みを手放すことができると思った。
人生は、いま目の前のことしかないんだと思い出させてくれるし、もう一度向き合おうと背中を押してくれる名著だ。
「自分には何も起きないかもしれない」「このままの状態が永遠に続くかもしれない」と思ったときに、仏教的人生の本質を思い出させてくれると思う。
■内容の簡単な紹介:
◎仏教を普通の人の人生に活かす
本書は、仏教の考え方=ブッダの合理的な思考法を用いて、よりよく生きる方法を提案している。仏教の考え方をめちゃくちゃざっくりいうと、「すべては変化する」である。諸行無常とも言える。
おそらく人間が苦しく感じることの多くは、「この状況が永遠に続いてしまうのではないか」と思ってしまうことに起因すると思っている。なにも変わらないんじゃないかと囚われてしまっても、本当は小さく小さく変化は起きていることを頭の片隅に置いておけば楽になれるのではないだろうか。
◎苦しみを生むものを認識しておく
ほとんどの苦しさは、執着と妄想と承認欲求が原因だと知っておく。
手に入れたい、手に入れたものは不変であってほしい、私は認められるべきだ、といった「反応」がずっと浮かぶのが人間の性。「反応」によって苦しみは生まれていると認識しておく。
◎人間関係は戦わない
できる限り、相手の反応は相手にゆだねてまかせる。人をコントロールしたり、自分の正しさを相手に押し付けたりしないこと。相手のことを判断しない。
たとえば、パートナーからショックなことを言われたり、期待を裏切られたと感じるときには、「自分は悪くないよね、ふつうはこんなことしないよね」といったことで頭がいっぱいになって不機嫌になってしまうことがある。でもまずは自分が反応/判断していることに気づいたら、自分は怒ってると言葉に出すこと。自分がどういう感情になっているか、言葉で書いたり口に出すと、状態を少し客観的に見れる。
◎「初めて会った人」として接する
自分の心の中に、いろいろな考えや、妄想が絶えず湧いているのが人間の性だ。そう考えると、自分でさえ昨日の自分と微妙に変化しているのだ。それは、他者も同じである。身近な大切な人も、仕事で嫌な人と出会っても、彼らも常に変化していると少しでも考えれれば、態度も変わるのではないだろうか。
まとめ:
この瞬間も、もう同じ瞬間はない。
外部要因や社会の浮き沈みに、一喜一憂して反応するのもほどほどに、
自分の人生にじっくりと取り組むことが、唯一できることなのかもしれない。