Amazonプライムで発見したので、第5話まで視聴。
心動かされる場面があったので、感想を書きます。
青のオーケストラは、オーケストラに情熱を見つけ出していく学生たちの、青春群像物語だ。
楽器を通して、人と向き合い、自分と向き合いながら前に進んでいく。
主人公は、バイオリニストの父を持ち、子供の頃から数々の賞を獲得していたが、父の不倫の影響でバイオリンを辞めてしまっている。そして、学校生活に馴染めず、保健室でバイオリンを練習していた女生徒と出会うことになる。バイオリンは素人だが、彼女の楽しそうに演奏する姿を見て、少しずつ自分と向き合っていく。
そして、第2話の最後で、河川敷の夕日の中、主人公が彼女に対してカノンを演奏するシーンは美しくグッとくる。こんな青春あったらなぁと思う次第だ。
全編で、「青」の色使いと表現が、めちゃくちゃこだわっていて、こちらも大変美しい。
さて、彼らの面倒を見ていた、学校の先生が、卒業も近くなったときに彼らに伝えたのが、「そのときにしか出せない音がある」という言葉である。
これはたぶん、彼らへだけのメッセージではないだろう。
私たちに向けられた言葉にも聞こえてくるのだ。
いまはもう青春という年齢でもないよ、と簡単に切り捨ててしまうことが、年を重ねるにつれ増えていっている感じがしている。「今さらなにがんばってんの」みたいな冷笑的な雰囲気を醸し出すのがカッコいいみたい風潮もある。
でも事実として、今この瞬間しか感じることができないことを、私たちは毎日感じているはずだ。たしかに高校生たちのような、激しい感情の揺れはないかもしれないが、でもそのときにしか味わえない感情や思考を経験しているはずだ。
もう何をするにも遅いと感じている人も結構多いのかなと、最近は周囲を観察していて思うことが多い。でも人生100年時代なんて言われて久しいし、これからはAIが社会に実装されて暇な時間が増えるはずだ(たぶん)。
そんなときにできることは、「そのときに感じれない感情や思考を大事にして、それをやってみること」ではないかと思わせてくれる。
今からでも、何かを始めたい人にはおすすめの作品である。